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【Report】博物館実習ゲストレクチャー 宮本文人先生レクチャー「欧米の都市景観と大学キャンパスの魅力」

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 季節外れの雪でキャンパスが白く染まった11月24日、学芸員科目「博物館実習II(学内実習)」の一環としてゲストレクチャーが開催された。今回は、東京工業大学環境・社会理工学院建築学系の宮本文人教授を講師にお迎えし、「欧米の都市景観と大学キャンパスの魅力」 という題目でご講演いただいた。宮本先生は、OECDの教育施設委員会のメンバーとして活動される中で、世界各地の都市を訪れて、様々な学校建築を目にしてきた。講演では、その経験を踏まえて、建築学の見地から欧米の都市や大学キャンパスの魅力を教えていただいた。聴講には授業の履修者だけでなく、本学の卒業生、施設課・学務課・総務課の職員の方々にもご参加いただき、質疑応答では魅力的なキャンパスづくりを巡って活発な議論が交わされた。

       [写真 1]宮本文人先生

 

 講演では、本題に入る前段階として、建築学を学んでいない一橋大学の学生に向けて、この学問分野の概要を説明していただいた。宮本先生がご専門とするのは建築学の中でも特に建築デザインや都市計画に関わる「計画分野」と呼ばれる領域である。この分野において、欧米の大学・大学院に設置されている「ランドスケープ学科」が重要な役割を果たしているが、日本での設置数は少なく、欧米諸国に遅れをとっているのが現状とのこと。
 続いては、欧米の都市景観と大学キャンパスの魅力について、具体的な例を示してお話しいただいた。ウィーンやパリなど欧米の都市では、歴史的な建造物が立ち並ぶ中に現代建物が姿を現すことがある。一見すると奇抜にも思えるガラス建築は、古い町並みに不思議と馴染んでいる。宮本先生が紹介する建造物には、こうした建物だけでなく広場や橋も含まれている。都市を構成する様々な要素に建築家が関わっていくことで、欧米の美しい都市景観は生まれるのだと気付かせられた。
 さらに欧米では、大学キャンパスも魅力的に整備されている。ヨーロッパの歴史ある大学は修道院に起源を持っていることが多く、敷地の四方に建築物を配置することで囲まれた空間を形成している。それとは反対に、アメリカでは外部に向かってキャンパスの空間が発展していく傾向にある。どちらにしても、キャンパスの建造物は長期的な計画に基づいて配置されており、そうしたプランによって個性と魅力のある大学キャンパスは形作られている。現地写真を映したスクリーンを前に、専門的な話を噛み砕きつつ分かりやすく解説する宮本先生の姿に、聴講者一同、引き付けられた様子であった。

       [写真 2]会場風景

 

 講演終了の予定時刻を過ぎてからも、宮本先生と、司会者の小泉順也先生を中心に議論がなされ、日本国内の大学、とりわけ一橋大学の国立キャンパスに残されている課題に関して様々な意見が飛び交った。魅力ある大学キャンパスを整備していくには、長い年月を要する。キャンパスを利用する当事者として、大学生・大学院生もまた、建築に関心を持ち続けることが重要なのだと感じた。

       [写真 3]雪が積もった国際研究館

 

 

言語社会研究科/高野詩織(博士後期課程)

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