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教員紹介

教員と研究領域/第1部門(人文総合)

鈴木 将久

研究室:東キャンパス国際研究館3階
オフィスアワー:随時(事前にメールで予約を取ること)
連絡先:メールアドレスはスパム対策のため画像化されています
研究概要とメッセージ

私の研究の中心的テーマは、「中国にとって『近代』とはどのような体験だったか」を文学の側面から考えるというものです。はじめは、中国における西洋文化の窓口であった都市上海の文学を研究し、中国での西洋文化の受容の様子を考えようとしました。ところがすぐに、中国の近代は西洋化一辺倒ではなかったことに気づき、都市上海の文化がどうして変形/挫折したのかという大きな問題に直面しました。そこで、都市上海で活躍したモダニストたちが、中国近代における結節点ともいうべき日中戦争中に、どのような文学活動を行ったのか研究しました。現在は、中国近代にとって避けて通れないもう一つの大きな問題である中国革命について、都市上海における初期の社会主義受容と、毛沢東時代の実践の両方を視野に入れつつ、文学の側面から新たな位置づけができないか試みています。  

また他方で、現在の中国知識人たちの思考の営みにも関心を持っています。彼らの思考を日本に紹介し、彼らと思想的な交流をすることが、もう一つの目的です。そのため翻訳活動にも力を入れています。

中国近代の営みは、東アジアで後発的に近代化を進めざるを得なかった隣国として、日本とも似た側面があります。中国近代を通じて、日本の近代を相対化して捉えることが可能でしょう。ただ気をつけなければならないのは、中国の経験を、日本の感覚だけに依拠して解釈すると、必ず大きな見落としが生まれることです。中国には、日本の感覚だけでは解釈しえない大きな領域があります。そこにいかにして接近し、それを語るための言葉をいかにして見つけるか、それは大きなチャレンジです。  

チャレンジというのは、大きな困難があるということですが、同時に、刺激的なプロジェクトという意味でもあります。チャレンジ精神に満ちた皆さまとお会いできることを楽しみにしています。

2013年4月