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〈世界文学〉と今日の世界——脱中心の力としての文学 |
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・日時:2015年5月25日(月)午後6時半〜9時 ・場所:法政大学(市ヶ谷)ボアソナード・タワー25階・B会議室 ・講師:キアラ・メンゴッツィ氏 (Chiara Mengozzi) (チェコ,フラデツ・クラーロベ大学) ・対話者:中井亜佐子 (一橋大学)、澤田直 (立教大学)、笠原賢介 (法政大学) ・使用言語:フランス語(通訳有) ・通訳:澤田直(立教大学) ・司会:安孫子信(法政大学) ・その他:入場自由、予約不要 ・エラスムス・ムンドゥス〈ユーロフィロソフィ〉法政プログラム 2015 協賛企画 ・共催:法政大学国際日本学研究所・法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻
【要旨】 イギリス文学やフランス文学といった伝統的な一国文学が力を失い、存在理由をさえ喪失しかけている今日、19世紀初めにゲーテによって唱えられた〈世界文学〉(Weltliteratur)が新たな意味を帯び、文学における新たなカノンとしてまた語られ始めている。その背後にあるのは、テキストの地理的・歴史的境界を越えての激しい流通、言語-文化間での支配・被支配の激しいつばぜり合い、ローカルなものとグローバルなものとの間の激しい相互作用といった事態である。 講演では現代の〈世界文学〉をめぐる象徴的出来事として、2007年3月にフランス語圏の作家たちが発表した声明文「世界=文学のために」を検討した後、ハニフ・クレイシ、ヌルディン・ファラー、カズオ・イシグロの3人の作家を取り上げて、彼らの〈世界性〉が決して空虚な一般性ではないこと、また他方で、彼らの内でグローバルなものに抗ってなお色濃く残るローカルなものが、決して売り物としての〈地方色〉といったものではないことを確認していく。
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