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言社研レクチャー/シリーズ 「本をめぐる物語」 3 組版造形とブックフォーマット -白井敬尚 特別講義-
- 日時:2018年2月1日(木) 13:30(13:00開場)~17:30
- 場所:一橋大学 国立キャンパス(東)国際研究館3階 大会議室
- 主催:一橋大学大学院言語社会研究科/一氾文学会
- 入場無料、要予約|定員40名(予約なしでも、空席があれば入れます)
- 予約・お問合せ: 武村知子/一氾文学会 info@litteraegenerales.net
プログラム
- 13:30 - 16:45 第1講~第2講(適宜途中休憩あり)
- 白井 敬尚(武蔵野美術大学/グラフィックデザイナー)
- 17:00 - 17:30 軽いパネルトーク
- 講師 + 一氾文学会、司会・武村知子(一橋大学)
- 17:30 -
- 懇親会(会費1000円程度を予定しています。学生割引あり)
概要
昨年度から開始された「言社研レクチャー/本をめぐる物語」シリーズ第三弾は、現代日本を代表するグラフィックデザイナー白井敬尚さんをお迎えして、あらゆるテクストを支える基盤としての文字組版とブックデザインについて学びます。
活版印刷機が発明されるはるか以前から、ひとは、文字を並べて行をつくり、平面の上に時に図版とともに配置してそれを読みかつ鑑賞する営為をいとなんできました。写本から印刷へ、そして電子媒体へと時代は移っても、この営みそのものは変わりません。ことばを文字で書き、読むという書記言語のすがたは、常にそれを支える支持媒体の様相と共にあります。「組版造形」とは、「紙面に文字組版を配置・構成した空間を含む造形」を意味する白井氏の造語。この空間がなければ、いかなる書記言語テクストも成立することができませんでした。今回のレクチャーでは、印刷媒体に焦点を当てて、白井氏のお仕事の数々から「組版造形」の歴史とその深淵をかいま見、「テクスト」とその姿との関わりを考えます。
言語社会研究科のこのHPを飾る美しいローマ大文字のGENSHAロゴは、白井氏のデザインによるものです。ケロケロキングこと木原庸佐氏の手になるイラストを、イタリア・ルネサンスの数学者フラ・ルカ・デ・パチョーリ(1445-1514)による大文字をデジタル復刻した中へ嵌め込んで、唯一無二の文字列を作成してくださいました。今のところ他ではいっさい使われていないこのパチョーリの6文字は、言社研の貴重な財産です。また、(今は刷られていない)言社研公式パンフレット(下図)も、両氏のご好意により生まれたものでした。こうしたご縁によって今回のレクチャーが実現します。
*なお、本企画のチラシ・ポスターは、白井氏のデザインではなく、企画スタッフ(素人)によるものです。
講師紹介
白井敬尚(しらい・よしひさ)、グラフィックデザイナー。1961年生まれ。白井敬尚形成事務所主宰。タイポグラフィを軸としたエディトリアル・デザインを専らとし、特に欧文組版では並ぶ者がないと言われている。現在武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授、ミームデザイン学校等でも教鞭をとる。
主な仕事に、ヤン・チヒョルト著『書物と活字』(朗文堂、1998)、組版工学研究会篇『欧文書体百科事典』(朗文堂、2003年)、ggg『EXHIBITIONS』(大日本印刷ICC本部、2007)、『ヴァチカン教皇庁図書館展』(印刷博物館、Vol.1:2002、Vol.2:2015)など多数。2005年から2014年まで、デザイン誌『アイデア』(誠文堂新光社)のアートディレクションおよびデザインを担当。先般、ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて約1ヶ月にわたる大規模な個展が開催された。
主な著作:
- 「日本の活字版印刷を支えたアメリカの活字版印刷」(『日本の近代活字 本木昌造とその周辺』、近代印刷活字文化保存会、2003)
- 「タイポグラフィ――言語造形の規格化と定数化の軌跡」(『言語社会』第2号、一橋大学言語社会研究科、2008)
- 「活字とグリッド・システム――ブックフォーマットの形成」(『文字講座』、誠文堂新光社、2008)
現在、斯界待望の単行本を準備中。