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一橋大学「芸術と社会」研究会 一橋大学「芸術と社会」研究会 第28回研究発表会

申込サイト:Google Form
注1:オンライン参加希望者には7月4日(金)までにZoom情報をお届けします。
注2:会員の方は会員専用のGoogle Formからお申込みください。リンク先はメールで連絡済みです。
注3:必要に応じて、一橋大学の在学生は国際研究館に掲示しているポスターの情報もご確認ください。

連絡先:h.artsandsociety@gmail.com (一橋大学「芸術と社会」研究会事務局)

発表要旨
◆武笠 麻里子氏(一橋大学大学院言語社会研究科 博士後期課程)

「ホワイトネス研究から見るエドガー・ドガ《フェルナンド・サーカスのララ嬢》:見世物における人種表象を巡って」
絵画《フェルナンド・サーカスのララ嬢》(1879年、ロンドン・ナショナル・ギャラリー)は、サーカスの軽業師が高所で演技をおこなう姿を描いたものである。モデルとなったララ嬢とは、黒人と白人の混血女性であった。本発表では、1990年代から人種研究において大きな潮流となっているホワイトネス研究のアプローチを用いて、この絵画を分析する。ホワイトネス研究とは、人種間の差異を決定づける基準となっている、権威を帯びた白人性に注目する研究分野である。ホワイトネスはまた、階級やジェンダー、セクシュアリティなどの要素を内包する概念であり、それがどのようにドガのララ嬢への視線にあらわれたかを論じたい。

◆倉地 真梨氏(一橋大学大学院言語社会研究科 博士後期課程)

「浜松楽器工業の戦前と戦後:地縁を生かした発展と「DIAPASON」の誕生」
浜松楽器工業は、数少ない戦前創業のピアノメーカーである。特に戦後は名工として謳われた大橋幡岩(1896-1980)を技術部長に迎え、大橋が設計した「DIAPASON」ピアノはよく知られている。当時は日本楽器製造(現在のヤマハ)、河合楽器製作所に次ぎ、第三のメーカーとして名高かったが、1958年に河合楽器製作所の傘下となり、日本のピアノ産業の隆盛を前に表舞台から消えてしまった。
本発表では、地域資料・新聞等を調べるなかで判明した創業者・馬淵真蔵の経歴をはじめ、浜松楽器工業がどのような背景で創業し、戦争を乗り越え、なぜ「DIAPASON」が誕生したのか、その足跡をたどる。