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第12回四十雀賞授賞式・受賞記念講演会
- 日時:2024年10月22日(火)15:30~(17:30終了予定)
- 受賞者:関⼝時正⽒らによる「『ショパン全書簡』翻訳チーム」
- 場所:佐野書院(地図)(オンライン同時開催)
- 参加方法:授賞式・受賞記念講演会は現地/オンライン参加のいずれの場合もどなたでもご参加いただけます。
対面・オンラインともGoogle Formから10月21日月曜日までにお申し込みください。 - 問合せ先:小岩 信治研究室
- 四十雀賞ウェブサイト
四十雀賞とは
当研究室では、毎年、本邦の音楽文化に広く貢献した個人・団体に「四十雀賞」をお贈りしています。賞の名前は、一橋大学があります国立市の鳥で、美しい鳴き声を持つ「シジュウカラ」に由来します。
2024年 受賞者
関⼝時正⽒らによる「『ショパン全書簡』翻訳チーム」
授賞理由
ピアノ曲などによって知られるフリデリク・ショパン(1810‒1849)の書簡は、彼自身の言葉や文章を後世に伝える貴重な資料である。ポーランド⽂化を専⾨とする⽂学者、翻訳家である 関⼝時正⽒らによる⽇本語訳『ショパン全書簡』(岩波書店)は、ポーランド~パリ時代(1810‒1839)を扱った最初の3巻が刊⾏されており(2012、2019、2020)、残りの 巻(1839‒1849)とショパンをめぐる第三者の書簡も、今後の翻訳・刊⾏が検討されている。
2024年6月現在、『ショパン全書簡』の翻訳は日本語以外で刊行されていない。ドイツ語やフランス語が織り交ざり、言葉遊びや駄洒落を含むショパンの言葉を正確に読み解くのが困難であることが理由のひとつであろう。また、書簡のテクストを凌ぐ量の膨大な原注も特徴のひとつであり、それが大部分翻訳されたことによって読者は同時代の音楽家などに関する詳細な情報も読み取れる。
関口氏を中心とした『ショパン全書簡』の日本語への翻訳プロジェクトは、多言語・多文化理解をともなう高い翻訳能力と、膨大な作業を成し遂げる忍耐力を兼ね備えたメンバーの協働によって実現した。日本におけるショパン研究・19世紀前半を中心とした音楽文化研究への本書の貢献は計り知れない。
以上の事由により、関口時正氏らによる「『ショパン全書簡』翻訳チーム」に第12回四十雀賞を授与する。
四十雀賞 これまでの受賞者の方々(敬称を略します)
- 第1回(2013)
- 岡田 暁生(著作『恋愛哲学者モーツァルト』に対して)
- 第2回(2014)
- 宗次ホール/宗次 德二(小規模コンサートホールの開設・運営に対して)
- 第3回(2015)
- 村上 輝久(長年にわたる調律師としての活動に対して)
- 第4回(2016)
- 大友 良英(著作『学校で教えてくれない音楽』をめぐる活動に対して)
- 第5回(2017)
- 「ヒロシマと音楽」委員会・能登原由美(ヒロシマに関わる音楽のアーカイブ化とその普及活動に対して)
- 第6回(2018)
- 高橋管楽器(サクソフォーンを中心とする「楽器修理」に対して)
- 第7回(2019)
- 大澤 徹訓(漫画『のだめカンタービレ』における音楽監修に対して)
- 第8回(2020)
- 映画『LISTEN』(聾者による「音楽」の表現に対して)
- 第9回(2021)
- デリバリー古楽/柴田 俊幸(コロナ禍において古楽器による生演奏を届ける活動に対して)
- 第10回 (2022)
- 音遊びの会(マジョリティの発想を超えた自由な音楽表現の創出に対して)
- 第11回 (2023)
- スリーシェルズ/西耕一様(日本の音楽家による作品の発信、埋もれた名作の発掘と資料の保存、広報、啓蒙活動に対して)