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第13回四十雀賞授賞式・受賞記念講演会

  • 日時:2025年10月28日(火)15:30~(17:30終了予定)
  • 受賞者:菅原正二氏/ジャズ喫茶ベイシー
  • 場所:一橋大学 如水会百周年記念インテリジェントホール(建物配置図:マル6が会場です)
  • 参加方法:参加方法:ご来場希望の方は、フォームに必要事項をご記入ください。会場参加については先着順で受け付け、定員に到達しだい締め切ります。締切後はオンライン(Zoom)でのご参加のみ受け付けます。
  • 問合せ先:小岩 信治研究室
  • 四十雀賞ウェブサイト
四十雀賞とは

当研究室及び学部共通ゼミに所属する学生たちで構成された「四十雀賞選考委員会」では、毎年、本邦の音楽文化に広く貢献した個人・団体を選定し、「四十雀賞」をお贈りしています。賞の名前は、一橋大学があります国立市の鳥で、美しい鳴き声を持つ「シジュウカラ」に由来します。

2025年 受賞者
菅原正二氏/ジャズ喫茶ベイシー
授賞理由

1942年に岩手県一関市で生まれた菅原正二氏は、早稲田大学在学中、ハイソサエティー・オーケストラのバンド・マスター/ドラマーとして、TBSラジオ「全国大学対抗バンド合戦」で全国3連覇を果たした。1967年ビッグバンドとして日本初の米国ツアーを敢行し、「チャーリー石黒と東京パンチョス」のドラマーを務めたのち、1970年に一関に戻ってジャズ喫茶ベイシーを開店した。

「ベイシー」は、「レコードを演奏する」菅原氏による「チョイス」の集積である。氏は、聴衆に臨場感を最大限まで与える「極上のサウンド」を求め、そのこだわりはオーディオ空間全体からレコード針一本の先端にまで及ぶ。アナログレコードには、演奏されたその場の「空気」までもが記録されている。氏は単なる音源再生の範疇を超えて、その「空気」を「再現演奏」する。

菅原氏は語る。「自分でものを作るのだけが“創作”ではない。“チョイス”することで自分を表現することを我々は普段、意識するしないにかかわらずやっている」 (『ジャズ喫茶ベイシーの選択 ぼくとジムランの酒とバラの日々』)。まさにこの言葉の通り、その独自の哲学に基づいたあらゆる選択と積み重ねが「ベイシー」たる唯一無二の「作品」である。足を踏み入れる我々に強烈な個性を知覚させるこの場所こそが、日本のジャズ喫茶、ひいては世界のジャズ・シーンの玄関口として人々をコアに繋げてきた。

菅原正二氏がレコード演奏家として長年に渡りアナログの音楽文化を蓄積し、連綿と紡いできた営みの結果がジャズ喫茶ベイシーであり、本邦の音楽文化に多大なる貢献を果たしている。

以上から、菅原正二氏/ジャズ喫茶ベイシーに四十雀賞を授与したい。

四十雀賞 これまでの受賞者の方々(敬称を略します)
第1回(2013)
岡田 暁生(著作『恋愛哲学者モーツァルト』に対して)
第2回(2014)
宗次ホール/宗次 德二(小規模コンサートホールの開設・運営に対して)
第3回(2015)
村上 輝久(長年にわたる調律師としての活動に対して)
第4回(2016)
大友 良英(著作『学校で教えてくれない音楽』をめぐる活動に対して)
第5回(2017)
「ヒロシマと音楽」委員会・能登原由美(ヒロシマに関わる音楽のアーカイブ化とその普及活動に対して)
第6回(2018)
高橋管楽器(サクソフォーンを中心とする「楽器修理」に対して)
第7回(2019)
大澤 徹訓(漫画『のだめカンタービレ』における音楽監修に対して)
第8回(2020)
映画『LISTEN』(聾者による「音楽」の表現に対して)
第9回(2021)
デリバリー古楽/柴田 俊幸(コロナ禍において古楽器による生演奏を届ける活動に対して)
第10回 (2022)
音遊びの会(マジョリティの発想を超えた自由な音楽表現の創出に対して)
第11回 (2023)
スリーシェルズ/西耕一様(日本の音楽家による作品の発信、埋もれた名作の発掘と資料の保存、広報、啓蒙活動に対して)
第12回 (2024)
関口時正氏ら「『ショパン全書簡』翻訳チーム」(日本におけるショパン研究・19世紀前半を中心とする音楽文化研究に対して)