授業と学位論文
履修と修了要件、就学の手引き(課程・部門共通)
履修に関する様々な規則は、入学・進学年度初頭に配布される冊子『学生便覧』に記載されているので、必要に応じてよく参照してください。『学生便覧』は下記の教務システムCELSからもダウンロードできます。以下に、修了要件や履修規則、各種支援等について、『便覧』に記されていない機微や注意事項などをお伝えすることを主な目的として概略を記します。あくまでも概略ですので、細かい規則に関しては常に『便覧』を参照するように心がけてください。
修了要件
修士課程
- 32単位以上を取得した上、修士論文を提出し合格すること。
- 上記32単位のうち、言語社会研究科の科目が20単位以上、「演習」の単位が8単位以上なくてはならない。
- 「演習」は各学期少なくとも1科目を履修しなければならない。
- 修了のためには、2年以上在学しなくてはならない。
1科目=1コマは期末試験を含む14回で構成されます。春夏学期週1回14週の科目も、単一学期(春学期、秋学期など)週2回7週の科目も、同じく「1コマ」と数え、2単位を取得できます。
「演習」は、言社研のものは全て春夏・秋冬それぞれ2単位となりますが、他研究科の演習は通年のものがありますので、注意してください。
より詳しいことは、部門別の履修・修了要件をご覧ください。
博士課程
- 18単位以上を取得した上、「学位論文計画書(プロポーザル)」を提出し合格すること。
- 「演習」を12単位以上、「講義」(演習は含まない、ただし他研究科開講科目を含む)を6単位以上修得しなくてはならない。
- 「演習」は各学期少なくとも1科目を履修しなければならない。
- 修了のためには、3年以上在学しなくてはならない。
コマと単位の数え方は修士同様。より詳しいことは、同じく部門別の履修・修了要件をご覧ください。
演習指導教員の決定と変更
1) 入学・進学にあたってはまず自分の研究テーマに合った「指導教員」を決めるのですが、この「指導教員」は、研究科の側で指名するものではなく、また個々の学生が希望すればそのまま決まるものでもありません。学生と教員とがよく話し合って合意の上で決めます。年度初めには多くの教員が「ゼミ面接」を行うので、新入生はまずこれに参加します(「演習」のことを「ゼミ」と呼ぶ)。たいていの教員は春夏学期の「演習」の第1回目を面接に当てていますが、教員によっては、もっと早くから五月雨式に面接を始める者や、3月中に個別面接日を設定する者もありますから、あらかじめシラバスを見て、希望指導教員との面接の段取りを確認してください。複数の教員の「演習」を履修する=「ゼミに参加する」ことが可能ですが、それらのうち、自分が履修の柱とするゼミを「主ゼミ」、それ以外のゼミを「副ゼミ」と呼びます。「主ゼミ」の教員が「主指導教員」、「副ゼミ」の教員が「副指導教員」ということになります。一般に「指導教員」と呼ばれるのは「主指導教員」のことですが、実際の「指導」は必ずしもこの「主指導教員」だけが行うものではありません。折に触れて多くの教員の指導を受けることが、可能でありまた推奨もされます。
2) 主・副指導教員が決定したら、「研究指導願兼演習参加願」を提出します。書式はHPの「各種書類の申請と交付」にあります。これに記入して、主・副指導教員それぞれに提出します。紙面でもメールでも構いませんが、提出方法についても各教員と相談して進めてください。この「参加願」は教員と学生の手元で保存すればよく、事務に提出することは不要です(詳細は、「参加願」2頁目の「研究指導願兼演習参加願の扱いについて」を参照のこと)。
3) 「演習」の履修登録は、この手続後、すなわち各指導教員の了解を得た上で、一橋学務情報システムCELS (Campus Education Learning System、後述)で各自行ってください(下記参照)。演習参加願を提出せずに、すなわち各教員の了承を得ずに勝手にCELSで登録した場合は、不合格又は履修取消になる可能性がありますから、必ず事前に教員とよく相談して合意の上で履修してください。なお、時間割上は「主ゼミ」も「副ゼミ」も区別はありませんが、CELSで登録するときは、「主ゼミ」として登録する場合には「演習」に、「副ゼミ」として履修する場合には「第2演習」に登録します。例えばA教授の「演習」を「主ゼミ」として履修し、B教授の「演習」を「副ゼミ」として履修する場合には、A教授の「演習」とB教授の「第2演習」に登録します。煩雑ですが、これはCELSのシステム上の区別にすぎず、大抵の場合は、主ゼミの学生も副ゼミの学生も一緒に合同の「演習」に参加します。また多くのゼミでは、修士課程の学生と博士課程の学生が混在します。
4) 入学・進学の後、履修登録期間になってもまだ指導教員が決まらない場合には、ひとまず事務室にメールでご連絡ください。
5) 履修登録後、4月いっぱいくらいまでに、主指導教員と相談しながら「研究指導計画書」を作成します(同じく「各種書類の申請と交付」に書式あり)。この「計画書」は在学中は毎年の年度初めに更新して提出し直します。
6) 「指導教員」は学期ごとに変更できます。変更を希望する場合には「指導教員変更願」(同上ページにあり)を提出してください。
学務情報システムCELS (Campus Education Learning System)について CELS は、シラバス検索、履修登録や成績確認等の履修や成績に関するシステムです。
- ログイン方法 https://cels.hit-u.ac.jp/
- 一橋大学Web サイト→在学生の方へ→学務情報システムCELS→ログイン画面へ
入学時に配布の ID (※学籍番号)およびパスワードを使用。パスワードを忘れた場合は、研究科事務室へ申し出ること。- システム利用にあたっての注意事項
- ① メンテナンスのために利用を停止する場合があります。② 履修登録等の受付終了間際はアクセスが集中し、期間内に登録が完了できない可能性がありますので、余裕をもって登録等を行ってください。
履修科目の選択と登録
各年度における研究科の授業編成は、HPの「開講科目一覧」で確認できます。『学生便覧』にも記載されており、『学生便覧』は上記CELSからもダウンロードできますが、しばしば変更が生じうるので、最新の情報はHPで確認するのが便利です。各授業の詳しい内容はCELS上のシラバスで閲覧してください(印刷物等では配布されていません)。
曜日・時限ごとの「時間割」は、HP上の「時間割・休講・教室変更など」のページで見られます。年度始め・学期始めには変更がよくあるので、気をつけて随時確認してください。休講情報などはCELSで確認できますが、HPの上記ページにも掲載されます。年間を通じた「学年暦」は、こちらのページでごらんください。
他研究科や学部の授業に関しては、冊子(あるいは上記CELSからダウンロード)の『学生便覧』でご確認ください。
履修する科目は、(特に入学1年目の最初の学期には)指導教員と相談しながら決めます。科目を決めたら、「演習」同様、上記CELSから自分で登録します。履修登録期間は上記「学年暦」の、「行事予定」欄で確認できますし、CELSからも一斉連絡が行きます。登録期間は厳守ですので、気をつけて、遅れないようにしてください。
履修登録期間の後、「履修確認期間」および「履修撤回/変更期間」が設けられています。これも「学年暦」の「行事予定」欄で確認でき、またCELSからも連絡が行くはずですので、気をつけていてください。授業を登録して2~3回出てみて、やはり履修をやめようと考えたときには、忘れずに必ず「履修撤回」手続きをとるようにしてください(→こちらをよく参照のこと)。撤回手続きをせずにいると、最終的に不利な成績がついてしまうことがあります。
ここまで述べてきた、演習や各種授業の履修等手続きについては、新型コロナ対応などで今後も不意に変更になる可能性がありますから、事務からのメール連絡やCELSからのお知らせなどには、常に気を配っていてください。
ポートフォリオmanabaの活用
CELSとは別に、manabaというポートフォリオ・システムがあり、授業ごとの登録です。コロナ禍下でオンライン授業が展開して以来、オンデマンド授業配信やzoomライブ授業のミーティング情報通知をはじめ、毎回の連絡や課題呈示・提出、期末レポート提出等、授業の多くの局面で広く活用されるようになりました。各授業のシラバスをよく読んで、manaba登録が必須とされている科目を履修するときには、気をつけて必ずこちらも登録するようにしてください。
また、manabaの科目登録は、CELSによる正規の履修登録期間に先立って、一種の「お試し登録」として行うことができます。特に演習(指導教員)を決めるプロセスでは、CELS登録に先立ってmanabaのほうに登録しておくことが求められることもありますので、各演習のシラバスをよく参照してください。manabaにお試し登録しても、履修期間内にCELSで正規登録しなければ、自動的にmanabaの登録は削除されます。
ポートフォリオシステムmanabaについて
- ログイン方法 https://manaba.hit-u.ac.jp/
- 一橋大学Web サイト→在学生の方へ→manaba(ポートフォリオシステム)→ログイン画面へ
CELS同様、入学時に配布の ID (※学籍番号)およびパスワードを使用。パスワードを忘れた場合は研究科事務室へ申し出ること。
CELSについてのマニュアルもmanabaに掲載されています。
学位論文
修士論文・博士論文ともに、課程のスタートにあたって、そしてその後も折に触れて、とくに提出時期が近づいたら、→「学位論文の執筆と提出について」のページにある各種手引きをよく参照してください。
修士論文
修士課程を修了するには、必ず修士論文を提出して合格判定を受けなければなりません(いわゆる「卒業制作」のようなものを以て替えることはできません)。教員の指導のもとで、計画的に論文作成を進めます。提出期限は例年、1月中旬です。2年次の1月に提出するのが原則ですが、留年も可能です。
論文提出年度の夏(7月)に「修士論文構想発表会」が開かれます。修士論文の内容に関するプレゼンテーションの会で、コロナ禍で中断していましたが、昨年から、より気楽な形で復活しました。2年生が主な対象ですが、1年生も見学・参加できます。
博士論文
博士論文の提出には、いくつかの階梯がありますので、上記の「学位論文の執筆と提出について」所載の各種手引きをよく読んで、重要なプロセスを失しないようにしてください。
論文提出に先立って「学位論文計画書(プロポーザル)」を提出し審査に合格する必要があります。修了要件単位数を満たし、かつ、「学位論文計画書」の審査に合格すれば、仮に博士論文提出に至らず退学しても「単位修得退学」となります。「プロポーザル」を提出しないまま退学すると「中途退学」です。「単位修得退学」の場合、退学後1年間は、在学時と同様の条件で博士論文を提出できます。
博士論文は退学後1年を超えた場合、あるいは「中途退学」の場合にも、提出できます。けれどもその場合いわゆる「論文博士」となり、費用が余分にかかり手続きもさらに煩雑になりますので、在学中、遅くとも単位修得退学後1年未満のうちに提出することを勧めます。
留学支援および研究成果発表機会について
一橋大学基金による留学支援
一橋大学には、「一橋大学基金 大学院生海外留学奨学金」の制度があります。これは、海外の大学、研究機関およびこれに準ずる機関における単位取得や専門の研究を行う大学院生を支援する奨学金制度です。一度は留学を、と思う人はぜひ活用してください。
他にも、各種語学の短期海外研修など、大学院生も参加できるプランがあります。こちらはコロナ禍以降オンライン化も進んで、参加しやすくなっている面があります。
研究科紀要類
研究科の教員・院生の研究成果を発表するための媒体として、当研究科には3種類の紀要があります。総合紀要『言語社会』(査読つき)および第2部門・日本語教育の雑誌『一橋日本語教育研究』で、いずれも年一回の発行です。応募方法などは別途、HP上あるいはメール等で通知されますので、ふるってご投稿ください。なお、学生が編集に関与する英語雑誌『Correspondence』もありましたが、残念ながら今年度からしばらく休刊です。また復活することもあるかもしれませんが、現在のところ未定。
日本語チュートリアル制度
言語社会研究科は、留学生がたいへん多い研究科です。多くの人は日本語・日本文化を学ぶためにやってくる、日本語のとてもよくできるかたがたですが、どんなに日本語のできる人でも、レポートや論文を書くときには、ネイティヴによるチュートリアルが欠かせません。頼りになる友人・知人に心当たりがないときは、全学のチュートリアル制度や、当研究科独自の制度を利用することができます。
全学制度はけっこう手厚いものではありますが、利用できる時期が限られています。例えば修士年次の春夏学期にみっちりチューターについてほしい人には、全学制度だけでは足りません。そういうときのために当研究科ではささやかながら独自のチュートリアル制度を用意しています。5月ごろにメールで事務室から案内がいきますから、必要な人は申請を検討してください。
研究科の制度では、チューターを必要とする留学生からの申請を受けるだけでなく、チューターの募集も行います。留学生の役に立ちたいと思うひとは、ぜひふるって「チューター人材プール」にご登録ください。第1・2部門を問いません。チュートリアルを行うことで自分自身の作文力もきっと向上するでしょう。