教員と研究領域/第一部門(人文総合)
イ・ヨンスク(李 姸淑)
研究室: | 東キャンパス国際研究館4階 |
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オフィスアワー: | 随時(アポイントを要す)。研究室の扉にメモを残してください。 |
連絡先: |
研究概要とメッセージ
これまでの主な研究テーマは、近代日本において「国語」の概念の成立を明らかにすることでした。そのために、さまざまな知識人が「国語」についてどのようなことを語り、「国語」をどのように表象していたかを考察し、「国語」について語るさまざまな言説がたがいにどのような関係にあり、全体としてどのような構造をもっているのかを分析してきました。しかし、それだけでは何となくどうどうめぐりになる感じがしてきました。「国語」について誰がどのようなことを語ろうとも、そこには、無意識のうちに考えたくないものを遠ざけようとする態度が共通して見られます。内在からの視点だけでは、このような空白がなにを意味するかを明らかにできないのではないかと思うようになりました。そこでいまは少しテーマを移動させて、近代日本における他者認識の問題に関心をもっています。ですが、まだまとまったかたちにはなっていません。
ゼミにはたくさんの学生さんが来て、それぞれ思いの研究を発表してくれるので、とても刺激になります。ゼミでの議論のなかで、貴重な考えに啓発されることがよくあります。
私にとって研究の出発点は、現在の世界のありがたに対する疑問や違和感だと思っています。どうもこれはおかしいと思い、その疑問を素朴につきつめていくことが、最終的には論文というかたちになって現れてくると思います。教師にとっても学生にとっても、ゼミナールがそのような探求心を育てていく場所であることを望んでいます。
2000年3月