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教員紹介

教員と研究領域/第一部門(人文総合)

井上 間従文

研究室:東キャンパス国際研究館6階
オフィスアワー:随時、事前にメールで予約を取ること。
連絡先:メールアドレスはスパム対策のため画像化されています
研究概要とメッセージ
研究
1) トランスナショナルなアメリカと東アジア研究における美学・感性学(Aesthetics)の位相

20世紀以降のアメリカと東アジアをめぐる記憶のポリティクスをナショナルではないものへと開くために必要とされる美的想像力や感性のあり方とはどのようなものか。アドルノ、ナンシー、酒井直樹といった理論家たちの理論的仕事を参考にしながら、「パックス・アメリカーナ」と呼ばれるトランスナショナルな統治体系の中で芸術表現が持つ批判的可能性について考察している。

その一環として戦後アメリカ現代詩における詩的実験と政治的想像力との関係について考えている。「ブラックマウンテン」以降の詩人たちの実験が、1980年代以降の詩人におけるレイス、ジェンダー、クラスなどをめぐる詩学と政治学に与えた影響の深度を測っている。詩にかぎらず、アメリカの戦後「アバンギャルド」全般とも関わるテーマでもある。

2) 「沖縄」をめぐるイメージ・ポリティクスの可能性

上に記したトランスナショナルな統治体系の中で、沖縄で制作された絵画、詩、写真などはどのような「共感域」を構想して来たのか。米軍統治期沖縄における安谷屋正義の抽象画と清田政信のシュルレアリスムとマルキシズムを咀嚼した詩と思想などから始まり、現在の詩や写真における表現にまで至る創作と思想の可能性に光をあてるものである。

教育

上記研究内容よりももっと射程を広げて、主に英語圏の人文学の研究書を幅広く読んでいます。受講者と講師が問いや意見、文献などを共有しながら、深められる場を持つことを目指しています。「演習」の授業では前半を文献読解、後半を受講生のプロジェクトについての発表と討議に分けています。

現在の受講生の研究分野は日米の写真史、アメリカのアート・アクティビズム、日本の戦後詩、震災と文学、メルヴィルと海など多岐にわたります。受講する人々が持ち寄るテーマと経験の広さ、豊かさに支えられています。オープンかつ真摯な議論を通して、互いの問いの深化を助け合うような場をつくるのが常に目標と言えます。

国内外からの研究者とのイベントも(体力がある時には)随時実施しています。

2017年春・夏学期の「演習」では、以下の3冊の本と、それらが扱う文学・映画作品を検討しました。

  • Sandro Mezzadra and Brett Neilson, Border as Method, or, the Multiplication of Labor (Duke UP, 2013)
  • Sianne Ngai, Ugly Feelings (Harvard UP, 2007)
  • Kara Keeling, The Witch's Flight: The Cinematic, the Black Femme, and the Image of Common Sense (Duke UP, 2007)