教員と研究領域/第1部門(人文総合)
坂井 洋史
研究室: | 東キャンパス国際研究館3階 |
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オフィスアワー: | 木曜日 14:00~15:00(事前にメールで予約を取ること) |
連絡先: |
演習の概要
私の演習には中国現代の文学、思想、文化を研究する仲間が集っております。中国現代文学を主たる研究対象領域としながら、今日的な問題関心に照らして、中国研究の新たな可能性開拓を目指す演習です。現代文学史研究(特に解放前まで)、個別作家研究、社団・流派研究、テクスト分析、当代思想・文化批評などが私のカヴァーする分野です。研究対象、テクストに密着し、そこから具体的かつ今日的な問題性を引き出し得る、着実な知識と実証的な方法の獲得に努める一方で、それを大きな枠組に位置付ける巨視的なパースペクティヴを養います。アカデミックなテクストを執筆する能力、広く古典から現代に至る諸文献にも対応できる読解力、国外の研究者と自由に討論することのできる、高度な語学運用能力も身に着け、新しい時代に相応しい研究者たるべく、しっかりと基礎を固めて欲しいと思います。着実な文献学的基礎と実証的姿勢に裏打ちされつつ、思想史や文化批評の成果にも目配りを忘れない、広い文化的視野を持つ専門家の養成を基本目標とします。意欲的な諸君の参加を期待しております。
演習の形態は中国語文献精読(夏)と研究発表(冬)です。参加者の研究対象、興味が多岐に亙ることから、方法論や研究の枠組に関して示唆的な研究論文を採り上げるよう配慮しております。夏学期の文献精読は、訳読担当とコメント担当が事前に準備を行い、問題提起的にプレゼンテーションを行い、これに対して私がコメントを交えつつ、全体で討議する形態です。冬学期の研究発表は、参加者の目下の研究を紹介する、あるいは研究に関連した文献をレヴューすることで、プレゼンテーションの基本的な能力を涵養します。
2010年10月確認済
受験希望者へ
※受験希望者との事前の面談などは一切行っておりません。また試験や研究に関するメールなどでの問い合わせにも応じておりません。この注意書きを読んでいるにも関わらず、対応を求める連絡が後を絶ちませんが、メールの返事もいたしませんので、あらかじめご諒承願います。
私の演習を中心に履修設計を行う場合、基本的には専門家になることを目標とすることになります。ここでいう「専門家」とは、大学、研究機関で、研究、教育に従事する「研究職」、もしくは中国に関する研究を基礎とした編集、出版、通訳、翻訳、政府機関・国際機関における国際連携などの業務に従事する者を指します。一橋大学大学院言語社会研究科は、博士後期課程への進学を目指すコース(専門家養成コース)と、前期課程修了後に、本ゼミナールでの学習、研究とは必ずしも関連を持たない、一般業種への就職を目指すコース(専修コース)を別々に設置しておりません。私の演習は、修士課程終了後の就職を目指すみなさんを歓迎しますが、演習の実施形態としては、専門家を目指す構成員と同一の演習に参加することになります。従って、浅く、広い知識、教養の獲得は目標とせず、研究や発表分担について構成員全てに同レベルの要求をします。受験を考慮されているみなさんには、この点をよく理解していただきたいと思います。本学は伝統的にゼミナールによる教育が主であり、所謂「中国文学科」のような学科制を採っておりません。従って、研究対象および関連する事項、背景に関する基本的な知識を補うために利用し得る、体系的に設置された教養科目や学部科目は極めて少ないことをご承知ください。入学後に学力・知識の不足や弱点を感じた場合は、自覚的な補習が必要です。上記のような条件に鑑み、入学者には専攻とする対象及び中国の文化と社会、中国語の運用能力(口頭の表現能力、現代文および平易な文言文のテクスト読解力)について、あらかじめ十分な基礎力を求めます。
2010年10月確認済