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お知らせ

国際研究シンポジウム「生表象の動態構造:虚構と現実のあいだ」〜作家はエクリチュールにいかなる仕掛けをほどこすのか?

  • 日時: 2010年1月23日(土) 13:30〜
  • 場所: 一橋大学 東キャンパス国際研究館4階大教室 (地図 44番の建物)
  • 主催:一橋大学大学院言語社会研究科、Hitotsubashi International Fellow Program
  • 助成企画:一橋大学個人研究支援経費
  • 使用言語:日本語
  • 連絡先:森本淳生(一橋大学言語社会研究科准教授)
  • 事前申込み: 不要

 ▽国際研究シンポジウムのポスター(PDF)はこちらです

《特別講演》

一人称のフィクションとノンフィクション──谷崎潤一郎の場合

  講演者:アンヌ・バイヤール=坂井 {フランス国立東洋言語文化大学 (INALCO : Institut National des Langues et Civilisations Orientales) 日本言語文化学部教授・日本研究センター所長}

 

概要:

谷崎潤一郎が好んで一人称を用い、多くの作品の語りを一人称の語り手に託していたことは、谷崎読者にとって明らかである。だがその語りの手法を通して谷崎は何を目指していたのであろうか。一人称は虚構性と「自伝性」の両極の間に位置する以上、その両極への方向性を含んでいる。今回は谷崎作品の中から幾つかの一人称フィクションとノンフィクションを取り上げ、その方向性がどのように文章世界の構築に貢献しているか検討してみたい。
主要著作:「暴露される一人称と小説の可能性」(『文学』、2008年9-10月号、p.104-114)、『谷崎潤一郎──境界を超えて』(千葉俊二氏と共編、笠間書院、2009)、ほか多数。

《報告》

批評言語と私-小説-論──ポール・ヴァレリーから小林秀雄へ

  報告者:森本淳生 {一橋大学大学院言語社会研究科准教授}

 

概要:

ヴァレリーの批評が小林秀雄の批評言語に大きな影響を与えたことはすでに指摘されてきた。今回はその延長線上に小林の「私小説論」があることを確認する作業をしてみたい。そのうえ、昭和10年前後に「私-小説-論」が当時の日本文壇でもった意味を考えてみたい。

マルセル・プルーストの奸策──<書けない主人公>の誕生

  報告者:中野知律 {一橋大学大学院社会学研究科教授}

 

概要:

十九世紀フランスの芸術家小説の系譜と文学的落伍者ratésの物語系譜を新たな かたちで繋ぐ試みとして『失われた時を求めて』を読み直す。先立つ世代の問題 提起をプルーストはどのように受け継ぎ、解決をはかろうとしたのか。その美学的熟成の軌跡を『失われた時を求めて』の生成過程に照らして検討したい。

《コメンテーター》

  坂井洋史 {一橋大学大学院言語社会研究科教授}

 

 

 

 

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