キャリアと職業支援
学芸員資格取得プログラム(大学院生限定)
学芸員は、博物館法に基づき、博物館や美術館等の機関で、資料の収集、保管、展示、調査研究、及びその他の関連する事業に従事する専門的職員です。言語社会研究科では 2002 年4月に学芸員資格を取得するための科目を開講しました。大学院の開講科目であるため、受講者が修士課程と博士課程の大学院生に限定されているのが大きな特徴です。
最短2年間で学芸員資格を取ることはできますが、自分の研究と並行して、計 19 単位を取得するのは困難です。しかし、将来の職業選択に対する明確な意識、学問的な専門性を備えた大学院の段階から、学芸員資格を取り始めることには利点もあります。具体的には、授業が少人数であるためきめ細かい指導が可能であり、社会学研究科を中心とした他研究科の院生との活発な交流も生まれています。大学院生であるからこそ、主体的な学びを実践できているのです。
2021年度から、美術史と科学技術史の専任教員2名を中心に学芸員資格取得プログラムを担当する体制に強化されました。また、2022年3月に公表された「令和3年度実施 大学機関別認証評価 評価報告書」において、司法試験の合格率と並んで学芸員養成の就職実績が「優れた点」として評価されました。博物館や美術館等での勤務を希望する大学院生の受講をお待ちしています。
就職情報
2004年から2024年までに、一橋大学大学院言語社会研究科で学芸員資格を取得した者、および学芸員資格科目や関連科目を履修した者から、48 人が各地の美術館、博物館、文化振興に関わる財団や機関、大学に就職しました。これまでに決まった就職先を以下に挙げます。特に断りのない場合は、学芸員や研究職としての採用を表しています。また、学芸員資格の取得後に大学教員として就職する場合もあります。
( * は他研究科の修了者/在学生)
- 美術館
- 東京ステーションギャラリー
- 香川県立ミュージアム
- 福岡アジア美術館 *
- 国立新美術館
- 東京都美術館
- 板橋区立美術館
- 練馬区立美術館
- 德川記念財団
- 水戸芸術館
- 目黒雅叙園
- 国立新美術館
- 世田谷美術館
- 国立新美術館(情報資料室)
- 東京都美術館(教育普及担当学芸員)
- 三菱一号館美術館(展覧会マネージメント)
- 川崎市市民ミュージアム
- 国立新美術館
- 東京国立近代美術館
- パナソニック汐留ミュージアム
- 横浜人形の家
- アーツ前橋
- 町田市立国際版画美術館
- 東京国立近代美術館
- 長野県信濃美術館
- 国立西洋美術館
- 東京国立近代美術館
- 神奈川県立近代美術館
- 練馬区立美術館
- 府中市美術館
- その他の博物館
- 立命館大学国際平和ミュージアム *
- 埼玉県立歴史と民俗の博物館 *
- 国立公文書館 *
- 下田開国博物館 *
- 荒川区立荒川ふるさと文化館 *
- 東京大空襲戦災資料センター *
- 横浜市みなと博物館 *
- 埼玉県立文書館 *
- 千葉県文書館 *
- 渋沢栄一記念財団 *
- 苫小牧市美術博物館 *
- 千代田区日比谷図書文化館文化財事務室
- 千代田区日比谷図書文化館
- 江戸東京博物館(国際交流事業)
- 国立科学博物館(職員)
- 東芝未来科学館(企画広報)*
- 豊島区生涯学習指導員(学芸研究職)
- 北海道立文学館
- 豊島区鈴木信太郎記念館(学芸研究員)
- 財団など
- 公益財団法人東京都歴史文化財団(事務職)*
- 公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団 *
- ポーラ文化研究所
- 独立行政法人日本芸術文化振興会
- 独立行政法人国立美術館(職員)
- 独立行政法人国際交流基金
- 大学教員
- 東京藝術大学大学院美術研究科(教育研究助手)
- 東北大学大学院文学研究科(助教)*
- 静岡大学経済学部(講師)*
学芸員資格科目
学芸員資格取得のために受講を要する科目は以下の通りです。(全開講科目の一覧はこちら)
法令上の科目 | 単位数 | 一橋大学において開講される科目 | 修得単位数 |
---|---|---|---|
生涯学習概論 | 2 | 生涯学習概論 | 2 |
博物館概論 | 2 | 博物館概論 | 2 |
博物館資料論 | 2 | 博物館資料論 | 2 |
博物館資料保存論 | 2 | 博物館資料保存論 | 2 |
博物館経営論 | 2 | 博物館経営論 | 2 |
博物館展示論 | 2 | 博物館展示論 | 2 |
博物館教育論 | 2 | 博物館教育論 | 2 |
博物館情報・メディア論 | 2 | 博物館情報・メディア論 | 2 |
博物館実習 | 3 | 博物館実習 I (学内実習) | 1 |
博物館実習 II (学内実習) | 1 | ||
博物館実習 III(学外実習) | 1 |
過去のイベント
一橋大学 公開講座「ミュージアムへの招待:大学院から始める学芸員資格」
開講から15年が経過し、多くの修了生が各地のミュージアムで活躍する今、修了生や学芸員養成を担当する教員からの報告をもとに、大学とミュージアムの連携のあり方を考えます。
- 日時:2018年6月23日(土)13:30開演(13:00開場)
- 場所:一橋大学 国立西キャンパス 本館21番教室
- 参加申込:無料・定員250名
過去の記事
「一橋大学と学芸員」(一橋大学ウェブマガジン『HQ』、2018年11月19日掲載)
2018年11月、一橋大学のウェブマガジン『HQ』に「一橋大学と学芸員」と題した記事を掲載しました。担当教員と2名の修了生のインタビューがまとめられています。
「一橋大学と学芸員」、一橋大学ウェブマガジン『HQ』、2018年11月19日掲載
記事はこちら。
過去の論文
小泉順也「一橋大学大学院における学芸員養成 : 言語社会研究科の取り組みの課題と可能性」(『言語社会』、13号、2019年3月掲載)
大学院生を対象にした学芸員資格取得プログラムの概要を説明し、現在の課題と今後の可能性を考察しています。
論文はこちら。