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カリキュラム

授業紹介

日本語教育学位取得プログラム(第2部門)

本プログラムは、一橋大学大学院言語社会研究科と独立行政法人国立国語研究所の連携講座を主体に、一橋大学国際教育交流センター(旧・留学生センター)の多大なサポートを加えて2005年度に新設されました。三つの機関がそれぞれの特長を活かして、日本語教育学、日本語学、社会言語学、日本文化を総合的に学ぶことができる多面的な勉学機会を提供しています。これに、海外の研究機関との交流や、産業界・地域社会との連携に実績のある一橋大学ならではの実践性を加え、有機的かつ多彩な研究を通して、高度の専門背地と実践力を持った日本語教育者の養成をめざします。

博士前期課程(修士課程)、同後期課程(博士課程)から構成され、修了後には「修士(学術)」「博士(学術)」の学位が授与されます。かつ、本プログラムの指定授業科目単位を一定以上取得して課程修了した人には、通常の学位記に加えて「日本語教育学位取得プログラム修了証」を授与します。

本プログラムの特長は、整った研究環境にあります。その特長は以下の4点にまとめることができます。

国立国語研究所との連携
本プログラムは、国立市に隣接する立川市にある国立国語研究所との連携事業です。国語研は日本語教育の部門を有し、日本語教育に関する国内外の蔵書を数多くそろえています。また、言語コーパスを活かした研究が盛んで、在学生はそうした最先端の研究を実地に学び、研究・教育に活かしています。
一橋大学国際教育センターとの連携
本プログラムには、日本語教育を専門とする一橋大学国際教育交流センターも参画しています。国際教育交流センターは、一橋大学の全留学生を対象とする日本語授業と日本事情教育などを実施する一方、留学生の生活、就学、就職、日本人学生の海外留学などの相談に不断に応じています。また、日本人学生、留学生双方を対象とする英語による授業の提供も行っています。第2部門在学生は、専門の教員の指導を受けるだけでなく、授業見学・教育実習をしたり、留学生のチューターを担当したりして、日本語教育の専門家としての実践性を養うことができます。
言語社会研究科という背景
日本語教育学もかなり細分化され、学としての体裁が整ってきましたが、反面、既存の学の枠を越える興味・関心を持つ学生が多いことも事実で、そうした学生が本プログラムを受験するケースが増えています。言語・社会にかんする多様な興味・関心を支援する態勢が、言語社会研究科にはあります。
少人数のきめ細やかな指導体制
本プログラムでは、9名の指導教員にたいし10名の定員(修士課程)であり、各学年1対1または1対2の指導体制を敷いています。そのため、指導教員に気軽に研究のアドバイスを受けられるメリットがあります。また、在学生どうしのつながりも深く、互いに協力し、刺激しあえる環境も生まれています。

日本に関する深い理解を携えて、国際的に活躍する日本語教育者を養成する――これが本プログラムの目的です。言語と社会の複合的な関係を主な研究対象とする言語社会研究科の学生の中には、従来、日本語そのものをさらに深く学びたい、課程修了後は日本語教育に従事したいという希望を持つ者も少なくありませんでした。日本語教員にも学位が必須の時代ですし、これからの日本語教育担当者には、日本語学・日本語教育学はもちろん、ひろく言語・社会・文化に関する高度で専門的かつ多彩な知識がいよいよ求められることでしょう。本プログラムは、日本語とその背景を多面的かつ本格的に学ぶことのできる、国内最高水準の教育を提供します。

日本語を学ぶ際に、背景となる歴史的問題や社会・文化を視野におさめつつ、内外両面から眺めることで、研究の厚みはいっそう増してきます。留学生、とりわけ漢字圏からの留学生には、日本語と母語の関係を振り返るよい機会になりますし、現場での教育実績をお持ちの方々のリカレント・プログラムとしても、本プログラムは大いに活用できるでしょう。

修了後のキャリア・パスとしては、日本語教員のポストに就く、博士課程に進学するという選択肢の他に、官公庁や地域自治体で国際交流業務に携わる、あるいは留学生の場合は、日系企業や合弁企業に就職して、国際ビジネスの最先端で活躍する等、さまざまな道が開けています。

一橋日本語教育研究会公式サイト
一橋日本語教育研究会は、一橋大学言語社会研究科第二部門の現役学生、修了生、教員(専任、非常勤)の研究、 交流の促進を目的に2012年に設立されました。研究会誌『一橋日本語教育研究』の刊行など様々な活動を行っています。