English | Chinese

カリキュラム

授業紹介

外国語の履修と習得 (学部生のかたもご覧ください)

「文献演習」と学部共通外国語科目

言語社会研究科の教員の多くは、それぞれの専門分野を生かして、学部生向けの全学共通教育科目を提供しています。とりわけ外国語科目は、英語科目はもちろんのこと、ドイツ語、フランス語、中国語などのいわゆる第二外国語授業も担当しています。そしてドイツ語およびフランス語の「上級」のうちいくつかは言社研の「文献演習」と共修、つまり同じ授業になっています。学士課程で初級、中級と学んできた学生と、それぞれの言語を使って研究する言社研の修士課程大学院生、さらには他研究科の院生が参加している場合もあり、しばしばとてもよい「チーム」ができあがります。学部生のみなさんには、第二外国語を使って研究する大学院生にここでぜひ出会ってほしいですし、大学院生のみなさんも、しばしば分野の全く異なる優秀な学部生諸君から大いに学ぶところがあろうかと思います。

グローバル化の進む現代において、大学生ともなれば英語の習得は必須ですが、同時に、だからこそ英語以外の外国語を学ぶ意義もまた増大しています。諸言語と密接にかかわる文化や歴史等々を探求しようとするならば当該言語に習熟しなくてはならないことは言うまでもありませんが、めいめいの「専門」の道を歩もうとする大学院生は、むしろそれゆえにこそ、さらに第二・第三・第四の外国語を学びおさめることがやがて、「専門」を骨太のものに変えていく力になっていきます。

言社研の語学科目は、「文献演習」という名の通り、専門研究に必要な各種「文献」を精確に読みこなす力を涵養することを本来の目的としますので、学部との共修でない純然たる「文献演習」では、かなり高度な読解訓練を行います。英語の「文献演習」はすべて非共修で、相当の分量を相当のスピードで読む訓練が課せられることが多いです。独仏など共修の場合には、一緒に読むテクストも、読解訓練のレベルもかなり幅広く、そのつどの履修者の顔ぶれに応じて柔軟に設定されます。シラバスを読んで、自分に合った「文献演習」を選びましょう。〇〇語を学びたいけれど、自分には無理そうなシラバスばかりだなあと思ったら(なにしろ開講数が多くありませんから)、学士課程の各語種「中級」を履修することも可能ですし、何なら「初級」を聴講させてもらうことも場合によっては可能です。「中級」は大学院修了のための単位としては認定されませんし、「初級」は大学院生は正規履修もできませんが、新しい言語を学びたい場合には、そんなふうに学士課程の授業を活用することもできるのです。

例外的にラテン語とギリシャ語だけは、学士課程「初級」「中級」ともに言社研の「文献演習」と共修にしていますので、大学院修了単位とすることができます。このふたつの古典語は、西洋系の分野を修めてゆこうとする人にとってはもちろん、広く「西洋」を知りたい、というときにとても大切なものです。「修得」したといえるところまで学ぶのはなかなかに困難であっても、少し齧っておくだけでも、西洋の文化文脈を理解するうえでゆくゆくたいへん役に立ちますし、翻って現代諸語の学習をも容易にしてくれます。大学院生でも「初級」すなわち文法を一から学ぶ科目を履修して修了単位にできますから、余裕があればぜひ挑戦するとよいでしょう。学部生のみなさんにとっては、対等な立場で大学院生なるものに出会える最初の機会となるかもしれません。

日本語の「文献演習」もあり、これは別科目「専門日本語表現技法」と異なって、ことさら留学生向けではありません。日本語母語話者だからといって日本語に「習熟」しているとは、実は必ずしも言えないのであり、みずからの母語を機会あるごとに見直すということも人文学者にとっては常に必須の所作でしょう(この日本語および中国語の「文献演習」には今のところ学部共修のものはありません)。英独仏中、ギリシャ・ラテンおよび日本語の「文献演習」は毎年何かしら開講されますが、他の言語のものも開講されることがあります。

参考までに、学士課程全学共通教育センターの語学授業関連ページをご紹介しておきましょう。各語種を新規に何か選んで学ぼうとする人のための「選択案内」「読書・辞書案内」「学習の目安」が載っています。これらはあくまでも学部生向けではありますが、院のみなさんにも大いに学習のヒントを与えてくれるでしょう。

なお、ドイツ語・フランス語には「海外語学研修」があり、学士課程の場合単位認定されるほか、グローバル教育ポートフォリオの「b)短期語学留学」として卒業要件として認められます。大学院生は単位認定されませんが、研究の礎としてこの研修を生かしていくとすれば、単位認定をはるかに越える大きな意味があります。関心のあるかたはぜひ「海外語学研修」(全学共通教育科目)でシラバス検索してみてください。やや詳細を以下に記します。

「海外語学研修」(ドイツ語・フランス語)について
ドイツ語

ドイツ語の海外短期語学研修は、毎年8月に開講されるアーヘン語学アカデミーのドイツ語コースです。2020年からはオンラインで実施しています。2023年8月のコースも、2023年2月末現在、オンラインのみで開講される予定となっています。

歴史上の重要都市であり、今日のヨーロッパ観光のための便利な交差点でもあるアーヘンに実際に赴き、諸外国の学生と交流することができないのは残念ですが、他方オンラインのコースなら経費を大幅に削減できます。8月の平日毎日夕刻(現地の午前中)、4週間にわたるコースを受講します。

学部生向け授業で中級を履修する(つまり初級を終えている)レヴェルを基本とし、そこから上にさまざまなレヴェルのクラスがあります(事前にクラス分けテストがあります)。春夏学期に開講される「ドイツ語中級(短期海外語学研修準備」(水曜4限、おおむね隔週)を履修してください(科目名に「中級」とありますが、初級レベルや上級レベルの学生も受講できます)。ドイツ語で行われるドイツ語授業のための準備のほか、現地校への申し込み、送金方法の情報提供などを行います(現地での対面授業が再開する場合には、パスポートの申請、渡航の準備などのサポートなども加わります)。学士課程の場合、単位が計7単位(中級1単位、研修部分6単位)が認定されるほか、履修がグローバルポートフォリオで認定されます。大学院生の場合は単位認定されません。

言語社会研究科に所属する大学院生の場合は、修了要件の1つでもある「文献演習(ドイツ語)」を履修しておくことをすすめます(他研究科も履修可能です)。

なお、対面授業が再開される場合の参考として、→アーヘン現地での語学研修のためのサイトをご紹介しておきます。

フランス語

フランス語の海外短期語学研修は、毎年2月から3月にかけて開講される4週間のフランス語コースです。Campus France(フランス政府留学局)が提供するプログラムに参加する形式です。研修先はローヌ・アルプ地方のサン=テティエンヌまたはグルノーブルで、いずれも大学附属の語学教育センターです。

授業は週に平均20時間で、4週間で約80時間の授業を受けることができます。フランス語初心者から上級者まで、あらゆるレベルに開かれたプログラムです。出発前にクラス分けテストがありますが、現地での研修開始前に改めてクラス分けが実施されるので、各自のレベルに応じたクラスで学べます(研修途中でのクラス移動も可能)。

この海外短期語学研修はコロナ禍のもと中止されていましたが、2022年度(2023年春)から再開されました。オンラインでの実施はなく、フランスに赴いての研修となります。

研修参加者は、秋冬学期に開講される「フランス語中級(短期海外語学研修準備)」(水曜4限、おおむね隔週)を履修してください(科目名に「中級」とありますが、初級レベルや上級レベルの学生も受講できます)。フランス語の簡単な訓練のほか、現地校への申し込み、送金方法の情報提供、フランスへの渡航準備サポートなどを行います。学士課程の場合、単位が計7単位(中級1単位、研修部分6単位)が認定されるほか(ただし、単位認定は次年度にずれ込みます)、履修がグローバルポートフォリオで認定されます。大学院生の場合は単位認定されません。

言語社会研究科に所属する大学院生の場合は、修了要件の1つでもある「文献演習(フランス語)」を履修しておくことをすすめます(他研究科も履修可能です)。

詳しくは、以下のリンク先を参照してください。