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教員紹介

教員と研究領域/第1部門(人文総合)

中井 亜佐子

研究室:東キャンパス国際研究館6階
オフィスアワー:随時(メールで前日までに予約を取ること)
連絡先:メールアドレスはスパム対策のため画像化されています
研究概要

専門は英文学(英語文学)です。とくに19世紀末から20世紀前半のモダニズム文学、イギリス植民地を舞台とするコロニアル文学、20世紀後半以降のポストコロニアル文学を研究対象としてきました。こうした分野を研究しはじめたきっかけは、学生時代にジョゼフ・コンラッドというポーランド系英語作家に関心をもったことでした。ロシア帝国支配下のウクライナにポーランド人として生まれ、船乗りとして世界各国を旅した経験をもつコンラッドの作品は、形式的な実験性をもつモダニズム文学のさきがけでありつつ、同時代の植民地主義、帝国主義の問題を直視し、真摯に応答しようとしています。

「小説は歴史である」とコンラッドは書いています。もちろん、文学テクストはけっして歴史的事実を単純に反映するものではありませんが、文学は歴史のなかにあるとともに、みずから歴史にはらたきかけようとする人間の営みだと考えています。

コンラッドに導かれて学生時代からエドワード・サイードを読みはじめ、現在はポストコロニアル研究という分野も専門の一つに掲げています。近年は第二波フェミニズム運動の一つである「家事労働に賃金を」運動に注目し、とくに植民地主義の問題とのインターセクショナルな観点から研究を進めています。

メッセージ

大学院の演習(第二演習)では、近・現代の英語文学、日本語文学、批評理論(とくにフェミニズム批評、ポストコロニアル批評)を研究する学生を受け入れています。演習に参加する人は、自分の研究に主体的に取り組むのはもちろんのこと、専門の異なる他の受講生たちと積極的に議論を交わし、学生どうしでおおいに学びあってください。

多様な関心をもつ学生・教員が集まる言語社会研究科では、伝統的な(すなわち、特定言語や国民国家の枠にとらわれた)文学研究はやりにくいかもしれません。ですが、わたしたちはむしろ、そのことをポジティヴにとらえるべきでしょう。言社研ならではの研究コミュニティをつくって、あたらしい領域を開拓していきましょう。

2025年3月